離婚にともなって自宅などの不動産を一方の名義にする場合、「財産分与」を原因とする所有権移転登記が必要です。
離婚届を提出しただけでは、不動産の名義は変わりません。名義変更をしないまま年月が経過すると、売却できない、相手の同意が得られない、連絡が取れなくなるなど、後から解決が難しくなることがあります。
木田司法書士事務所では、離婚にともなう不動産の名義変更について、代表司法書士が一貫して対応いたします。仙台市太白区を拠点に、仙台市内全域および宮城県内のご相談を承っております。初回のご相談は無料です。
財産分与による名義変更とは
財産分与とは、婚姻期間中に夫婦で築いた財産を、離婚に際して分ける手続きです。不動産を分与の対象とし、一方の単独名義にする場合には、登記簿上の所有者を変更する登記が必要になります。
この登記の原因は「財産分与」となります。売買でも贈与でもない、離婚に固有の登記原因です。
婚姻中に購入した不動産であれば、登記簿上の名義が夫の単独名義であっても、財産分与の対象になり得ます。 名義がどちらであるかと、財産分与の対象になるかどうかは、別の問題です。
登記は離婚が成立した後に行います
ここが最も誤解の多い点です。
財産分与を原因とする所有権移転登記は、離婚が成立した後でなければ申請できません。 離婚届を提出する前に登記をしようとしても、原因を「財産分与」とすることはできません。
実務上の進め方
1.離婚の条件(不動産を誰の名義にするか、ローンをどうするか)を協議して決める
2. 離婚届を提出する(離婚の成立)
3.戸籍に離婚の記載がされる
4.財産分与を原因とする所有権移転登記を申請する
名義変更を後回しにするリスク
離婚が成立すると、それまで同居していた相手方と連絡を取ること自体が難しくなる場合があります。
所有権移転登記は、原則として名義を渡す側と受け取る側の双方が関与して申請します。 相手方の協力が得られなくなると、手続きが著しく困難になります。
- 相手方の所在が分からなくなった
- 相手方が協力を拒むようになった
- 相手方が亡くなり、その相続人全員の協力が必要になった
- 相手方の債権者に差し押さえられた
離婚の条件を決める段階で、名義変更の段取りまで含めて決めておくことをおすすめします。
住宅ローンが残っている場合
離婚にともなう名義変更で、実務上最も大きな問題になるのがこの点です。
不動産の名義と住宅ローンの債務者は別のものです
財産分与で自宅の名義を夫から妻に変更しても、それだけで住宅ローンの返済義務まで妻に移るわけではありません。
例えば、夫が住宅ローンの債務者となっている場合、財産分与によって自宅を妻名義に変更しても、金融機関との契約上は、原則として夫が引き続き住宅ローンの債務者となります。
そのため、「妻が自宅を取得し、今後は妻自身が住宅ローンを返済していく」という場合には、妻名義で住宅ローンを借り換えるなど、金融機関との手続きが必要になります。
住宅ローンが残っている場合は、名義変更前に金融機関への相談が必要です
住宅ローンが残っている自宅を財産分与によって妻が取得する場合、一般的には、金融機関と事前に調整したうえで、妻が新たに住宅ローンを借り、その融資金で夫の住宅ローンを完済する方法などが検討されます。
この場合には、
財産分与による所有権移転登記
既存の住宅ローンの抵当権抹消登記
新たな住宅ローンの抵当権設定登記
をあわせて行うことになります。
なお、妻の収入や年齢、住宅ローンの残額などによっては、妻単独での借換えができない場合もあります。また、金融機関によっては、一定の条件のもとで既存の住宅ローンの債務者を妻へ変更できる場合もあります。
そのため、住宅ローンが残っている自宅を財産分与する場合は、登記手続きを進める前に、まず住宅ローンを利用している金融機関へ相談することが重要です。
金融機関の承諾を得ずに名義を変更しないでください
住宅ローンを組む際、金融機関との契約(金銭消費貸借契約)には通常、不動産の所有者を無断で変更してはならない旨の条項が含まれています。
これに違反した場合、期限の利益を失い、残債の一括返済を求められる可能性があります。
登記手続き自体は金融機関の承諾がなくても申請できてしまうため、知らずに名義を移してしまう事例が実際にあります。 ローンが残っている場合は、必ず事前に金融機関へご相談ください。
財産分与と贈与の違い
離婚にともなう不動産の移転は「財産分与」として扱われ、原則として贈与税はかかりません。 夫婦の共有財産を清算する性質のものだからです。
ただし、分与された額が婚姻中の財産や事情から見て過大である場合や、贈与税・相続税を免れる目的で離婚したと認められる場合は、課税対象となることがあります。
また、不動産を渡した側に譲渡所得税が課される場合があります。「あげた側に税金がかかる」という点は見落とされがちですので、ご注意ください。
なお、税務の判断は司法書士が取り扱うことができません。
上記、贈与税・譲渡所得税に関するご相談は、税務署または税理士へご相談ください。
離婚後の住所変更・氏名変更登記
不動産を取得した後、次のような場合には、名義変更とは別に登記が必要です。
- 離婚により氏が変わった → 登記名義人氏名変更登記
- 離婚を機に引っ越した → 登記名義人住所変更登記
登記簿上の氏名・住所が現在のものと異なっていると、将来の売却や融資の際に手続きが増えます。
なお、令和8年4月1日から、住所・氏名の変更登記は義務化され、変更から2年以内の申請が必要になります。正当な理由なく怠った場合、5万円以下の過料の対象となる可能性があります。
必要書類
不動産を渡す側(現在の名義人)
- 登記識別情報通知または登記済証(いわゆる権利証)
- 印鑑証明書(発行から3か月以内のもの)
- 実印
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 登記簿上の住所が現住所と異なる場合は、住民票または戸籍の附票
不動産を受け取る側
- 住民票
- 認印
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
共通してご準備いただくもの
- 離婚の記載のある戸籍謄本(離婚成立の確認のため)
- 固定資産評価証明書(当事務所で取得することも可能です)
- 財産分与に関する取り決めを記載した書面(離婚協議書、公正証書、調停調書、判決書など)
離婚協議書の作成についてもご相談を承っております。状況により上記以外の書類が必要になる場合があります。
費用の目安
司法書士報酬
| 手続き | 報酬(税込) |
|---|---|
| 所有権移転登記(財産分与) | 44,000円〜 |
| 住所・氏名変更登記 | 16,500円〜 |
| 抵当権抹消登記 | 16,500円〜 |
| 離婚協議書の作成 | 16,500円〜 |
登録免許税
財産分与による所有権移転登記の登録免許税は、「固定資産税評価額の2.0%」です。
たとえば評価額1,500万円の不動産では30万円となります。
住所・氏名変更登記、抵当権抹消登記は、それぞれ不動産1個につき1,000円です。
当事務所が対応できること・できないこと
対応できること
- 登記簿の調査、必要書類のご案内と取得
- 財産分与による所有権移転登記の申請
- 離婚協議書の作成
- 住所・氏名変更登記、抵当権抹消登記が併せて必要な場合の対応
対応できないこと
| 内容 | ご相談先 |
|---|---|
| 財産分与の割合や条件についての交渉、相手方との代理交渉 | 弁護士 |
| 離婚調停・訴訟の代理 | 弁護士 |
| 慰謝料・親権・養育費に関する交渉 | 弁護士 |
| 譲渡所得税・贈与税など税務の判断 | 税務署・税理士 |
| 住宅ローンの借換え、金融機関との交渉 | 金融機関 |
すでに相手方と対立している場合や、条件がまとまっていない場合は、弁護士へのご相談が必要です。
当事務所は、条件が決まった後の登記手続きを担当いたします。どちらに該当するか分からない場合も、まずはご相談ください。
よくある質問
- 離婚届を出す前に名義変更できますか?
-
できません。財産分与を原因とする登記は、離婚の成立後に申請します。離婚前に名義を移す場合は、贈与など別の原因での登記となり、税務上の扱いも変わります。
- 相手が名義変更に協力してくれません。
-
登記は原則として双方の関与が必要です。財産分与について調停調書や確定判決があれば、単独で申請できる場合があります。お手元の書類をご確認のうえ、ご相談ください。書面がなく相手方が応じない場合は、弁護士へのご相談が必要になります。
- 夫婦二人で相談に行く必要がありますか?
-
ご相談はお一人でも承ります。
ただし、財産分与による不動産の名義変更を当事務所にご依頼いただく際には、不動産を渡す方・受け取る方の双方と面談し、本人確認・意思確認を行ったうえで、必要書類にご署名・ご捺印いただきます。なお、当事務所は、どちらか一方の代理人として財産分与の条件を交渉する立場ではありませんので、財産分与の内容についてお二人の間で合意していることが前提となります。
- 共有名義になっている自宅を、単独名義にしたいのですが。
-
共有持分の移転として同様に手続きできます。
なお、登録免許税については、持分に応じた登録免許税の計算となります。 - 離婚のことを知られたくないのですが。
-
司法書士には守秘義務がありますので、ご相談内容を第三者に漏らすことはありません。
ご来所が難しい場合は、事前予約によりご指定の場所まで出張相談も承っております。 - 相談だけでも大丈夫ですか?
-
はい。ご依頼をご検討中の方の初回相談は無料です。ご依頼に至らない場合でも相談料はいただきません。
対応エリア
仙台市(太白区・青葉区・宮城野区・若林区・泉区)を中心に、名取市・岩沼市・白石市・角田市・柴田町・大河原町・村田町・川崎町など、宮城県全域に対応しています。
当事務所にご依頼いただくメリット
- 代表司法書士が一貫して対応 — ご相談から登記完了まで、担当が変わることはありません
- プライバシーに配慮 — 離婚に関するご事情は、周囲に知られることのないよう慎重に取り扱います
- 登記簿全体を確認 — 名義変更だけでなく、住所変更や抵当権の状況など、後々問題になりうる点を事前にご報告いたします
- 初回相談・出張相談は無料 — ご依頼に至らない場合でも費用はいただきません
- 土日・時間外も予約対応可— 事前のご予約により、土日祝日、営業時間外でも対応可能です
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